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2010.01/19 [Tue]
確率重視という考え方
院長のドモンです。
今日はまじめなテーマです。
確率重視という考え方
治療方針を立てる際、私が意識していることは
まず確率を重視するという考え方です。
でも確率を神聖視や絶対視はしない柔軟さも必要と考えています。
EBM時代の漢方医学 確率論的世界観の中で
http://www.masa-o.net/?p=1518
という記事の中でも以下の紹介があります。
「最良の意思決定は、確率論的な選択に依るしかない」というものです。
「確率論的な意思決定」という考え方は、北米や英国流の思想と言えるもので、
医学的なエビデンスだけに限られたものではありません。ゲーム理論や金融工学
に代表されるように、ビジネス、財務、軍事行動、社会科学の理論といった広い
分野が共有する基本概念です。
「ひとは、不完全な情報しかもっておらず、それに基づいて不確実性の中で決断し、
行動する」というパラダイムに支えられてEBMは成立したのです。
「決定論的な意思決定」の否定と、「最良の意思決定は、確率論的な選択に依るしかない」
という考え方の肯定は、現代医学を支えるひとつの思想であり、哲学であるわけ
です。そこには限界もあるはずで、十分に検討の余地があると思われますが、
それが現代医学の大前提であるというのであれば、漢方医学が「学術的」と呼ばれる
ためには、同じ土俵に立たざるを得ないわけです。
上記の記事は漢方医学に関わる方がその立場から書いたものですが、
いろいろな気づきやヒントを与えてくれます。
例えば医師の習熟度により確率は変化します。ある治療法を熟練した医師が
実践すれば素晴らしい結果を得ることができるが、まだ研修過程の医師が行えば
ほとんどうまくいかないといったことが起こります。他の方法を選択した場合、
医師がベテランであろうが、新人であろうがそこそこの結果を得られることも
あります。
あるいは患者さんの持っている条件でも確率は変化します。もっとも有利と
考えられる治療方法は患者さんそれぞれで変わってきます。骨格のバランス、
軟組織のバランス、凸凹の度合い、年齢、歯の植わり方の良し悪し、虫歯・・・
などたくさんの条件を総合的に判断して<確率>の高い方法をお勧めするわけです。
一見、当たり前に感じられる??かもしれない<確率重視という考え方>ですが、
確率よりもその他の事項を優先するという現象は時々というか結構、頻繁に遭遇します。
歯を抜くか、抜かないかという判断は矯正治療の結果や治療後の安定に大きな影響
を与えます。抜かないで十分な結果が得られる条件がそろっていれば問題ないのですが、
確率から言えば歯を抜いた方が有利だけれど、どうしても抜きたくないというような
場合です。
<確率重視という考え方>というスタンスではありますが、柔軟な対応も必要では
ないかと思いながら自分なりの答えをいつも探しています。治療の主役はもちろん
患者さんです。確率だけを押し付けてもいいことはないでしょう。
一方で結果がある程度、正確に見えているのは医師の方です。
患者さんには結果が見えていないことがあります。
医師はプロとして適切なアドバイスをしなければいけませんね。
今日はまじめなテーマです。
確率重視という考え方
治療方針を立てる際、私が意識していることは
まず確率を重視するという考え方です。
でも確率を神聖視や絶対視はしない柔軟さも必要と考えています。
EBM時代の漢方医学 確率論的世界観の中で
http://www.masa-o.net/?p=1518
という記事の中でも以下の紹介があります。
「最良の意思決定は、確率論的な選択に依るしかない」というものです。
「確率論的な意思決定」という考え方は、北米や英国流の思想と言えるもので、
医学的なエビデンスだけに限られたものではありません。ゲーム理論や金融工学
に代表されるように、ビジネス、財務、軍事行動、社会科学の理論といった広い
分野が共有する基本概念です。
「ひとは、不完全な情報しかもっておらず、それに基づいて不確実性の中で決断し、
行動する」というパラダイムに支えられてEBMは成立したのです。
「決定論的な意思決定」の否定と、「最良の意思決定は、確率論的な選択に依るしかない」
という考え方の肯定は、現代医学を支えるひとつの思想であり、哲学であるわけ
です。そこには限界もあるはずで、十分に検討の余地があると思われますが、
それが現代医学の大前提であるというのであれば、漢方医学が「学術的」と呼ばれる
ためには、同じ土俵に立たざるを得ないわけです。
上記の記事は漢方医学に関わる方がその立場から書いたものですが、
いろいろな気づきやヒントを与えてくれます。
例えば医師の習熟度により確率は変化します。ある治療法を熟練した医師が
実践すれば素晴らしい結果を得ることができるが、まだ研修過程の医師が行えば
ほとんどうまくいかないといったことが起こります。他の方法を選択した場合、
医師がベテランであろうが、新人であろうがそこそこの結果を得られることも
あります。
あるいは患者さんの持っている条件でも確率は変化します。もっとも有利と
考えられる治療方法は患者さんそれぞれで変わってきます。骨格のバランス、
軟組織のバランス、凸凹の度合い、年齢、歯の植わり方の良し悪し、虫歯・・・
などたくさんの条件を総合的に判断して<確率>の高い方法をお勧めするわけです。
一見、当たり前に感じられる??かもしれない<確率重視という考え方>ですが、
確率よりもその他の事項を優先するという現象は時々というか結構、頻繁に遭遇します。
歯を抜くか、抜かないかという判断は矯正治療の結果や治療後の安定に大きな影響
を与えます。抜かないで十分な結果が得られる条件がそろっていれば問題ないのですが、
確率から言えば歯を抜いた方が有利だけれど、どうしても抜きたくないというような
場合です。
<確率重視という考え方>というスタンスではありますが、柔軟な対応も必要では
ないかと思いながら自分なりの答えをいつも探しています。治療の主役はもちろん
患者さんです。確率だけを押し付けてもいいことはないでしょう。
一方で結果がある程度、正確に見えているのは医師の方です。
患者さんには結果が見えていないことがあります。
医師はプロとして適切なアドバイスをしなければいけませんね。
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